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園・学校の防犯

園や学校は家庭の次に安全であるべきです

皆様の園・学校は子どもたちが心から安心して過ごせる環境ですか? 家庭の次に安全であるべき園・学校において、子どものいのちが脅かされてはなりません。いのちがあってこそ、園・学校での取組みや先生の努力が実を結ぶのです。楽しい思い出だけをもって卒園・卒業できるよう、安全対策に取り組みましょう。

安全対策の手法
リスク認知

園や学校に関連する過去の社会的な事件事案を調べます。つぎに地域で発生した事件、過去に園・学校で発生した事件について調べます。そして現在防犯に対してどのようなリスクと課題を抱えているかについて話し合います。

リスク予測

過去に起きた事件が繰り返されないよう、予防策を話し合います。 さらに、過去の事件事案だけでなく今後起こりうる新しい危険や被害 についても予測し対策を考えます。

リスク回避行動

訓練・安全点検・研修会・指導を実施します。 訓練・安全点検・研修会・指導から得た成果を危険等発生時対処要領 (危機管理マニュアル)に反映させます。危険等発生時対処要領(危 機管理マニュアル)は簡易版を作成し、常に職員が携帯するよう務め ましょう。訓練は様々なシチュエーションを用意し最悪の事態を考慮 して企画すると良いでしょう。

安全対策のチェックポイント

小さなリスクや異常を見逃さないことが大切です。 「以前から危ないと思っていた。近いうちに注意をしようと思っていた矢先にこの事故が起きた」など、起きてからでは遅いのです。大きな事故・事件を防ぐためには、小さなことにも目を向けて対応しなければなりません。

職員の安全意識のレベルは同じですか?安全担当の先生だけが頑張っただけでは園や学校の安全対策は向上しません。研修や訓練を通じて職員すべての安全意識レベルを同じにすることに務めましょう。

訓練や対応策において、最悪のシナリオをイメージしていますか?そのような訓練をしていたら、有事の際には想定外のことばかりになってしまいます。 緊急時に想定外のことが発生したら冷静に対応することが難しくなり、慌ててしまいます。考えられる最悪の状況を設定し、職員の数、園児・児童・生徒数、環境・条件などから実態に即した対応策を考えましょう。

不審者を近づけない!侵入させない!

不審者の侵入を防ぐには、関係者であるかどうかをすぐに見分けることが、不審者を早期発見する重要なポイントです。職員や保護者であることを証明するもの、業者や来訪者向けのチェックシステムを見直してみましょう。最近では先生のネームプレート、保護者証、来訪者プレートを作成しているところも多くなりましたが、ただ作成するだけでなく、運用面の確認も大切です。「忘れた」「失くした」「顔パス」など、特例を許さず、着用を徹底させましょう。

不審者が侵入してきたら!

敷地内に園(校)舎・遊具・物置など死角になりやすいものが多いため、侵入されても気づきにくく、園(校)庭から直接クラスに入れる構造の場合には建物内に侵入されやすい弱点があります。不審者に対して発達途中の未成熟な園児・児童は先生の指示通りに動けるとは限らず、加えて比較的女性の職員が多いため対応に苦戦することが考えられます。 侵入されれば圧倒的に不利な状況になるため、侵入されない対策が重要です。

身近なものを使って不審者対応

不審者対応訓練は侵入場所、時間、職員の数、運動会等の行事など、条件を変えていろいろな想定でシミュレーションを行いましょう。大切なのは子どもの生命の確保と職員の安全を優先することです。 可能な限り入り口で対応し、追い出しや隔離を試みます。平行して全職員、警察への連絡を行ない、連絡を受けた担任はクラスの戸や窓を閉め(状況によってより安全な場所に避難させ)点呼を開始します。逃げ遅れや負傷の有無を確認し、迅速に保護、応急手当の対応をします。不審者対応には、さすまたを用意している施設もあるかと思いますが、有効に活用するには訓練が必要です。モップで相手を威嚇し、消火器で相手の視野を妨げ、網をかぶせる、縄跳びの縄を振り回す、イス・テーブルでバリケードをつくり行動を妨げるなど、身近なものを活用することも考えてみましょう。

子どもの心のケアを考えましょう

たとえ訓練であっても、リアルな不審者対応訓練を見せることで子どもに大きな衝撃を与える場合があります。実施する際には留意しましょう。園児には不審者を着ぐるみにしてあげるなどイメージを和らげる工夫も必要です。また事前説明において、「あなたたちを不審者から守るためにこれから練習をします。実際に不審者が入ってきてもこの練習のように必ず先生が守りますから安心してください」と絶対的な安心感を持たせてください。訓練の途中でも怖がる子どもが出たらその場からすぐに離し、落ち着いた場所で休ませましょう。 訓練が終わったときにもすべての子どもの様子を観察します。不安を感じている子どもがいたら声をかけ安心させてあげてください。

園(校)外活動時こそしっかりと防犯を!

遠足や社会見学などの外に出る活動では、施設内よりも危険が高まることを意識しましょう。日ごろより訓練する機会のない場所において、事件が発生したら子どもたちは右往左往します。  自分で適切に判断して行動することや職員の指示どおりに行動するのは困難です。 職員一人に対して見守る子どもの数が多ければ有事の際にかかる負担は大きくなることから、職員の人数が安全面に大きく影響します。 園や学校と離れた場所で他の職員の応援が求められないとき、限られた職員だけで、どう安全を確保するのかしっかり対策を考えておきましょう。

下見は安全の視点を忘れずに

 園(校)外活動では自然災害、事故、犯罪などさまざまな危険を想定して、現地までの道のりや現地において安全の視点をもって非常事態の対応、避難誘導、連絡手段、応援要請、負傷者の手当てが行なえる場所か考慮して計画を立てる必要があります。緊急連絡に使用する携帯電話が圏外で使用できないという事態にならないよう、電波の状態、公衆電話や、管理事務所の有無など細かい点まで確認しましょう。

個人を特定するものを表に書かせない

外でひと目に触れるものには、表に個人を特定する内容を書かないようにしましょう。とくに名前は悪用されやすいので注意が必要です。子どもは自分の名前を呼ばれると、知り合いだと勘違いするため騙されやすくなります。通常の生活指導において登下校に使うかばんや靴などに気を配っていても、 園(校)外活動では保護者への連絡を忘れたために、水筒、たいそう服、赤白帽、ナップザックなどの目に付くところに大きく名前が書かれていることがあります。たいそう服に名前があるときにはカーディガンなど一枚羽織らせるかシールやステッカーを貼るとよいでしょう。子どもたちは同じものを使用するため、落し物を考慮して裏側(表から見えない内側)にしっかり記名することを指導することも大切です。

保護者へのおたよりは安全ですか?

園や学校から保護者あてのお便りは年にたくさん発行されています。しかしこのお便りには、ときに個人情報が記載されていることがあります。家庭の一般ゴミ袋にそのまま捨てられては子どもたちの情報が漏洩し悪用されかねません。保護者に個人を特定する情報が記載されている書類の取り扱いや、捨てるときには細かく裁断するなどの注意点を伝え、学校や子どもたちの情報を守る意識を育てることが大切です。

画像の取り扱いにも注意!

WEB上で園や学校のようすを紹介するHPは、最近では当たり前のようになってきました。在籍する子どもの保護者や入園・入学を希望する保護者にとって、園や学校の様子を知ることができるのは喜ばしいことです。園や学校にとっても、文字だけでは伝わりにくい行事の盛り上がりを画像で伝えることができたり、最新情報を迅速に伝えたりと情報伝手段のひとつのツールとして活躍しています。一方で、誰がどのような目的で見ているかわからないのもインターネットの恐ろしいところです。お気に入りの子どもを見つけて狙う事件もあります。どうしても子どもの画像を載せるときには個人が特定できない画像を選んでください。さらにHPでは細かいところまで載せることが親切なHPでないことを理解しましょう。曜日別の登下校時間、遠足の日程、給食や昼寝(園)散歩(園)というように、生活スケジュールまで載せることで行動を知られてしまう危険があります。おたよりで伝えるべき関係者用伝達事項と、広報として伝えたいものをはっきりと区別しましょう。