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群集災害

人の多く集まる場所では群集災害に注意しましょう
群集災害の恐ろしさを知る

2001年7月に「明石市民夏まつりの花火大会」が開催されました。終了した後に会場の海岸と駅を結ぶ「朝霧歩道橋」上で、「群集なだれ」と呼ばれる現象が起こりました。大量の通行者が集中し、その大きな圧力が人々を押したために、生後5カ月の乳児を含む11人が死亡、247人が負傷しました。明石市の歩道橋事故のような群集災害は、特別な事故ではなく、サーカー場やコンサートなどの会場において、ファンが押し合い、倒れ、折り重なって死負傷する事例が世界中でいくつも報告されています。日本でも初詣などのように、大勢の人が集まると知っていながらもその場所に赴く行事が文化として根付いていることから、群集災害は決して他人事ではなく、いつでも存在しうる身近な危険です。

「群集」とは、ひとつの目的のために一時的に人々が集まるもので、そこに責任、統制、役割などの意識はなく、「集団」のように、周りとのコミュニケーションを重んじる必要性がないため、自己本位な行動を起こしがちです。また、日本は欧米と比べると、正月、GW、お盆などの休暇の日数が短く、そのため多くの国民がその期間に集中して移動するので、行楽地やイベント会場などは、どこに行っても混雑します。外出先で事故に遭わないためには、群集のリスクを認識し、安全対策を講じることが大切です。たとえば、時間に余裕をもってでかける、安定した靴と動きやすい服装にする、子どもと出かけるにふさわしい場所か再考する、子どもとはぐれないよう手を離さない、常に高齢者、妊婦、子連れ、からだの不自由な人に配慮する、前の人との間隔をあけて歩く、前の人を押さない、横入りしない、マナーを守らない人には注意を促す、帰る時間を見計らう(終了前に帰る、もしくは終わってしばらくして落ち着いてから帰る)、疲労や気分が悪いときは無理をせずに休む、人ごみでイライラしない、大声を出さない、感情的にならない、風船や傘などで前方の視界を妨げないなど、ひとりひとりが相手を思いやり、せかさず、心の余裕をもって歩くことが、事故の回避や被害を軽減する上で、とても大切なのです。