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家庭の防災対策

だんごむしのポーズ
豊かな暮らしを守る

家庭の防災はすすんでいますか?「何をしていいかわからない」という方はとりあえず、書店で防災の本を1冊でも購入することをおすすめします。1冊で多くのノウハウを得られるだけでなく、すべき対策の優先順位もすっきり理解できるでしょう。 代表の国崎も「地震から子どもを守る50の方法」「大地震発生そのときどうする?サバイバルブック」「こども地震サバイバルマニュアル」「震災から財産を守る本」など多数出版していますのでご一読いただければ幸いです。 ここでは、家庭防災の基本的な考え方をご紹介します。

まずは自宅を安全な場所にする

本震の揺れからいのちを守らなければその先はありません。 今すぐに自宅全体の耐震性を確認しましょう。結果、耐震性が低いならすぐに耐震補強工事を検討してください。東京都では、平成17年度から、木造住宅の安価で信頼できる耐震改修工法・装置等について募集し、学識経験者等による評価委員会によって評価を行い選定・展示会等で紹介しています。 (参考URL:http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/topics/h19/topi066.htm)

様々な事由により耐震工事ができない場合には、自宅の中にここにいれば大丈夫というシェルター「空間」を作りましょう。理想はそれをすべての部屋につくることです。「つかまりん棒」のように棒1本で安全なスペースを確保する方法もあります。

モノを置かない!シンプルに生きる防災術

地球環境を考えれば生活に本当に必要なモノだけを購入し、手入れして長く愛用する。購入するときも再利用できるものを選ぶなどエコを意識したくらしかたは大切です。防災でもそのくらしが減災につながります。

当たり前のことですが、固定されていなければ激しい揺れで家の中にあるものすべてが動きます。その揺れで飛来・落下・転倒などで破損するものが多ければ多いほど室内の被害は大きくなります。「地震の活動期に入った」今の日本における賢いくらしはモノを増やさず、シンプルにくらすことです。家にあるものを見直し、必要のないものは思い切って処分する。残った家具・家電製品・生活雑貨はしっかり固定をしましょう。

家具の扉はフック!フック!フックです!(扉開き防止ストッパーを忘れずに)。これで負傷の軽減、避難路の確保、避難時間の短縮など、様々な減災効果が期待できます。

窓周りをチェック

これまでの震災の軽傷患者の多くはガラス等の破片で足や腕をけがした方でした。夜間の暗い中に地震が発生した場合、床に散乱しているガラスの存在に気づかないですぐさま起きだして一歩を踏み出したとき、痛みを感じてその危険を知るのです。日常生活の中でガラスのコップ1個割っただけでも掃除は大変です。細かい破片を取り残さないように神経を使います。地震の揺れで床一面にガラス類が飛散した状況を想像するだけでも恐ろしいものです。

改めて室内を見渡してください。どれほどのガラス製品、陶器類がありますか?窓ガラス 棚 照明 テーブル 写真盾 花瓶 額など案外多くのものがあることに気づくことでしょう。窓ガラスや棚のガラス扉にはガラス飛散防止シートを貼りましょう。ホームセンターなどで購入でき簡単に貼れます。

モノを選ぶときにはなるべくガラス製品ではなく、できるだけ飛来落下転倒しても割れない素材のものを選びましょう。わが家の写真盾はガラス製や木製を避け、布製、紙製、革製のフレームを使用しています。 カーテンには防炎剤をスプレーするか、難燃性の製品を取り付けましょう。窓周りの対策は玄関からの退避ができなくなったときの大切な第二の避難経路です。避難路をしっかり確保することで、発災時には大きな効果を発揮します。

まずはトイレと水と携帯電話

災害が発生して生活に困るのはライフラインの途絶です。過去に経験したことのない不便で不安な生活が始まるのです。少しでも苦難を乗り越えるためには「備えあれば憂いなし」ということで備蓄がものをいいます。

さて、どのようなものを揃えますか?おすすめするのは市販の防災セットを購入しそこに自分や家族にとって必要なものを足していく備え方です。市販の防災セットには災害時に必要とされる商品が揃っているので、何をどれだけ揃えればいいのかわからない初心者には最適です。市販の防災セットに足すものとして予備の眼鏡、入れ歯、常服薬(お薬手帳も)など第三者がすぐに調達してくれない個人に必要なものを優先します。

可能ならば非常持ち出し品と自宅に滞留する際の必要品をそれぞれに備えましょう。室内では避難経路上の取り出しやすい場所に配置します。さらに備蓄品は一箇所にまとめるのではなく、室内 車の中 外の物置など分散して配置すると良いでしょう。そして忘れてならないのは、外出中で被災したことを考えたかばんの中の備えです。 エレベータ内での閉じ込めに遭うかもしれませんから、常にかばんのなかに、トイレ 水(マルチエネルギーを補給できるゼリー飲料等) 携帯電話の予備電池(または充電器具)を入れておきましょう。

携帯電話は立派な防災用品です。通信の他、テレビやラジオによる情報収集 暗闇を照らす表示ライト 笛の代わりになる着信音 メモ など様々な用途に使えます。普段からどのように活用できるか考えておくといいでしょう。

体験に勝るものナシ

どんなに備えが十分と思っていても想定外の事態に備えが追いついていかないこともあります。足りないものをチェックするには実際に動いてみることです。避難しようにも背負った荷物が余りにも重く、子どもを抱えるだけで精一杯で置いていった、では備える意味がありません。実際に荷造りしたものを背負う、備えたもので生活してみるといった体験をしましょう。せっかくですからそこに遊び心をプラスしてアウトドアで楽しんではいかがでしょうか。

非日常な世界を体験すると言う意味では災害も屋外での生活(アウトドア)も同じです。備えたモノの使い方を知るだけでなく、身近にあるものを活かすアイディアや一つのアイテムで多用途に使えるモノを備え荷物をコンパクト化するなど体験して得られるものは大きいでしょう。

体験にも色々あります。避難生活を体験するアウトドアのほかに、地震の揺れや火災の煙を体験できる防災センター、地域の避難訓練、応急手当の講習などは机上の知識では得られない実践で役立つ貴重な情報となるでしょう。 一度も外で寝たことのない人は外で寝ることを惨めに感じます。ビニールテントの中でも外で寝たことのある人はその経験を思い出し、「たいしたことはない」と気持ちを強くもつことができます。できるだけ想定外の事態を少なくするために機会あるごとに様々な体験をしましょう。

ひとたび災害が起きたら死者や負傷者、破壊された建物など強烈に記憶に刻み込まれるものを見ることになるでしょう。心の傷を受けないようにすることは難しくも、たくさんの経験を積みながら環境の変化に順応できるメンタルの強さを養い「生きる希望」を持ち続けられる人になりましょう。